† V・S †
Vital Signs
生命徴候
□ T(KT) 体温 □
◇ 平熱 36.1〜37.0℃
◇ 微熱 37.1〜38.0℃
◇ 高熱 39.0℃以上
◇ 低体温 36.0℃以下
◇ 中等度発熱 38.1〜39.0℃
◇ 過高熱 40.0℃以上
● 人体細胞は34℃以下、40℃以上では正常に機能できなくなる。
直腸温が28℃以下になると自力では体温を回復できなくなる。これによって死ぬことを凍死という。
● 稽留熱:日差1℃以内で持続する高熱。
● 弛張熱:日差1℃以上だが37℃以下にならない。
● 間欠熱:日差1℃以上で、1日の最低体温が37℃以下になる。
● 波状熱:有熱期と無熱期が不規則に繰り返す。
□ P 脈拍数 □
◇ 成人正常 60〜80回/分
◇ 頻脈 100回/分以上
◇ 徐脈 50回/分以下
● 脈拍欠損:規則的に打つ脈拍のうち、時々一つが抜ける場合。
● 速脈:脈波の立ち上がり速度の早いもの。
● 遅脈:脈波の立ち上がり速度の遅いもの。
● 硬脈:最高血圧の高い時にみられる緊張の強い脈。
● 軟脈:最高血圧の低い時にみられる緊張の低い脈。
● 大脈:1回の送血量が大きく、脈圧の大きい脈。健康者でも激しい運動をした後にみられる。
● 小脈:心臓が衰弱した時などにみられる。健康者でも寒冷時に末梢の動脈が収縮して細く弱く触れる。
□ R 呼吸数 □
◇ 安静時における1分間の呼吸数:成人16〜20回
◇ 頻呼吸:深さ不変で1分間24回以上
◇ 徐呼吸:深さ不変で1分間12回以下
● 過呼吸:頻度不変で深さ増大したもの。
● 減呼吸:頻度不変で深さ小さいもの。
● 過換気:分時換気量の増大したもの。
● 低換気:分時換気量の減少したもの。
● スパイログラム
● 一回換気量:一回の呼吸周期毎に吸入または呼出されるガス量(約450ml)
● 予備吸気量:安静時の吸息終末からさらに吸入することのできる最大ガス量(約1.950ml)
● 予備呼気量:安静時の呼気終末からさらに吐き出すことのできる最大ガス量(約1.150ml)
● 残気量:最大呼気終末期になお肺の中に残っているガス量(約1.350ml)
● 深吸気量:安静時の呼気状態から吸入することのできる最大ガス量(約2.400ml)
● 機能的残気量:安静時の呼気終末でもなお肺の中に残っているガス量(約2.500ml)
● 機能的残気量=FRC(functional residual capacity)
● 肺活量:最大吸気から吐き出せる最大のガス量(約3.550ml)
● 肺活量=VC(vital vapacity)
● 全肺気量:最大の吸気を行ったときに肺の中に含まれる全ガス量(約4.900ml)
● %肺活量:肺活量は性別、年齢、身長などに規定されるので、これらを考慮に入れた正常予測値に対する比率を%肺活量と呼ぶ(%肺活量=肺活量/予測肺活量×100)。
肺線維症や胸郭変形などでは、肺・胸郭の動きが制限(拘束)されて、肺活量が低下する。
%肺活量が80%以下を拘束性障害と呼ぶ。
%肺活量は肺の換気予備力の指標で、その低下は肺合併症が起こった時の回復力に大きく影響する。特に%肺活量が50%以下では術前の積極的な呼吸機能訓練が大切である。
%肺活量=%VC(% vital vapacity)
● 1秒率:70%以下で閉塞性障害。
最大吸気状態から努力呼出した時の肺活量を努力性肺活量(FVC)と呼び、努力性呼出の最初の1秒間の量を1秒率(FEV1.0)と呼ぶ。
1秒率は肺活量に規定されるので、肺活量の影響を除くため、1秒率を肺活量で割った1秒率(FEV1.0%)を用いる(FEV1.0%=FEV1.0/FVC×100)。
気道抵抗の増加(気管支喘息、慢性気管支炎)や肺の弾性収縮力の低下(肺気腫)などにより1秒率が70%以下に低下した場合を閉塞性障害と呼ぶ。
術後肺合併症の発生は1秒率とよく相関し、1秒率50〜70%で要注意、50%以下で高率に発生し、特に30%以下では必発である。
努力性肺活量=FVC(forced vital capacity)
1秒率=FEV1.0%(1st second forced expiratory volume rate)
□ BP 血圧 □
◇ 至適血圧 収縮期<120mmHg/拡張期<80mmHg
◇ 正常血圧 収縮期<130mmHg/拡張期<85mmHg
◇ 正常高値 収縮期130〜139mmHg/拡張期85〜89mmHg
◇ 軽症高値 収縮期140〜159mmHg/拡張期90〜99mmHg
◇ 中等症高 収縮期160〜179mmHg/拡張期100〜109mmHg
◇ 重症高値 収縮期≧180mmHg/拡張期≧110mmHg
◇ 収縮期高 収縮期≧140mmHg/拡張期<90mmHg
◇ 脈圧基準値 収縮期拡張期間 40〜50mmHg
◇ 低血圧 収縮期血圧が100mmHg以下のものを一般に低血圧という。
● 血圧の高低に大きく影響する3因子
@ 末梢血管抵抗:末梢血管が収縮すると、収縮期血圧・拡張期血圧ともに上昇。拡張期血圧の上昇がより大きいので、脈圧は減少する。
A 一回拍出量:心拍出量増加、一回拍出量の増加で、収縮期血圧・拡張期血圧ともに上昇。収縮期血圧の上昇がより大きいので脈圧も増す。運動時など。
B 大血管の弾性:大動脈の伸展性減少(硬化)によって、収縮期血圧は大きく上昇。反射的に細動脈が拡張するため拡張期血圧は下がる。脈圧は大きく増える。
● 血圧の維持に影響をおよぼす因子
@ 心臓の拍出量
A 抹消血管の抵抗
B 動脈血管系の血液量
C 血液の粘稠度
D 血管壁の弾力性
基準値(正常値)は計測機器によって多少の違い(誤差)があります。各病院の検査データ基準値を目安にしてください。
また、表示単位が異なる場合は基準値が全く違う場合もありますので、検査値が大幅に違うときは同じ単位で表されているかも確認してください。