† PT活性 †
〔prothrombin consumption test〕
プロトロンビン消費テスト 基準値:70〜140%


凝固因子のうち、第U、X、Z因子は肝細胞で産生され、それぞれ半減期は2.5日〔U〕、2時間〔X〕、12時間〔Z〕であるため、肝機能の低下によって急速に低下する。プロトロンビン時間はこれらの凝固因子を反映し、容易に測定できるので、スクリーニング検査として有用である。
とくに正常時の時間と病態時の時間との比率をプロトロンビン活性度〔%〕としてあらわし、60%以下では重篤な肝障害を、40%以下では劇症肝炎や重症型急性肝炎、肝硬変の末期を想定することができる。
また、閉塞性黄疸時にはビタミンK吸収障害がおこるので、プロトロンビン時間も延長する。
プロトロンビン時間と同様に肝臓の予備能を推定するために、肝臓で合成されるコレステロール、血清コリンエステラーゼ〔ChE〕の値も有用な項目の1つである。
肝臓でつくられるコレステロールはエステル型で、通常総コレステロールの60〜80%を占める。胆汁うっ滞時にはコレステロール値が上昇する。


<プロトロンビン>

プロトロンビンは血液凝固の第U因子でトロンビンの前駆体。糖タンパク質で、活性化第]因子の作用で限定分解を受けてトロンビンに変換する。この際カルシウムイオン、リン脂質、第X因子などが同時に必要である。ビタミンK依存性タンパク質で、ビタミンK欠乏症、肝障害、白血病などの疾患によって減少する。
血液が凝固するとき、プロトロンビンがトロンビンに変化する。したがって凝固完了後〔一定時間後〕血清中に残るプロトロンビンを測定することにより、プロトロンビン活性化因子の異常を推測できる。
凝固第1相、第2相に関する因子の欠乏があるとプロトロンビンの消費が悪くなる。正常では80%が消費される。


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基準値(正常値)は計測機器によって多少の違い(誤差)があります。各病院の検査データ基準値を目安にしてください。
また、表示単位が異なる場合は基準値が全く違う場合もありますので、検査値が大幅に違うときは同じ単位で表されているかも確認してください。

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